アゼライン酸……おそらく美容界隈で知らぬものなし、という成分ではないでしょうか。
有効性や安全性もさることながら、日本では医薬品扱いされていないため、あらゆる製品表示で見かけることでしょう。さまざまな優越性試験や非劣性試験が行われており、皮膚トラブルの治療薬として海外では使われています。
さらに、そのほかの有効成分とも併用できるチートっぷりを見せているのも特徴です。それらを詳しく解説していこうと思いますので、参考にしてみてください。
アゼライン酸とは?
アゼライン酸の外用剤は元々、酒さやニキビの治療薬として承認をされた薬剤で、日本皮膚科学会のざ瘡治療ガイドラインとして載っています。
しかし日本では医薬品扱いではないため、通販などで購入することができます。
今では、肝斑や色素沈着、シミなどへの用途でも知られている成分です。
アゼライン酸とはどんな成分?
冒頭でお伝えした通り、アゼライン酸は酒さやニキビ、肝斑などの治療薬です。重篤な副作用が報告されていないのも特徴で、専門知識がなくとも用法用量を守っていればリスクが少ない成分です。
端的に「配合されていればなんでも効く」わけではないものの、濃度が明記されていて、自分の症状に見合ったものを選べば有効性は保証されることでしょう。
「ビタミンC誘導体」や「ナイアシンアミド」よりもデータ量が多く、実績も優れているため試してみて損はないと思います。
アゼライン酸の種類とは?
アゼライン酸の化学式は「C9H16O4」で、飽和ジカルボン酸です。
ジカルボン酸は主に、シュウ酸・マロン酸・コハク酸・グルタル酸・アジピン酸・ピメリン酸・スベリン酸・セバシン酸・フタル酸・イソフタル酸・テレフタル酸で、それぞれの構造式はググって確認してください。
アゼライン酸には誘導体もありますが、今のところ根拠のないバズワードなので、放っておくのが吉ですね。また、ジェル状のものも多いですが、クリーム状の製品の方が使いやすくて良いと思います。
アゼライン酸の効果
繰り返しになりますが、酒さやニキビの治療薬として、その後は美白剤としても使用されています。
ニキビ治療についてのコクランレビューによれば、アゼライン酸の薬理効果は…
- 過酸化ベンゾイルよりも効果は低そう
- トレチノインとの間に差はない
- クリンダマイシンとの間にも差はなさそう
軽度の有害事象についても、不明なところが多いものの、おそらくそれほど変わらないと思われます。
アゼライン酸が配合されている化粧品おすすめ7選!
基本的に、アゼライン酸の濃度が15〜20%のものを選んでおけば、それぞれの症状に問題なく作用してくれます。
そこで、できる限り良品を紹介していこうと思いますので、参考にしてみてください。
なお、肌に合わないようであれば直ちに使用をやめて、医療機関を受診してください。
スキノレンクリーム
こちらはバイエル社のニキビ治療薬です。残念ながら化粧品という扱いではないのですが、アゼライン酸が20%濃度で入った外用剤です。
アゼライン酸の工業的な生産方法は、オレイン酸を原料としてオゾン分解することで得られるようです(この情報がなぜ必要なのかは分かりません)。
名前の通り、クリーム状になっているため使いやすく、比較的どんな人でも使用できます。アゼライン酸含有の商品をお探しの方は、まず手に取っていただきたい製品です。
エザニッククリーム
こちらは上記で紹介した「スキノレンクリーム」のジェネリックで、同じくアゼライン酸濃度は20%です。こちらも化粧品扱いではなく、市販品ではありませんが、通販サイトで購入することができます。
ジェネリックであるため少し安く手に入るのですが、購入するサイトによっては送料などが上乗せでかかるため注意する必要があります。
上記同様に、クリームタイプなので使いやすく、コスパも良いのではないでしょうか。どれだけ優秀かは説明不要でしょう。
Azacクリーム
こちらも上記で紹介した「スキノレンクリーム」と同様にアゼライン酸濃度が20%で配合された外用剤です。こちらも化粧品扱いではなく、市販されていませんが、通販で買うことができます。
容量が15gであるため、やや割高感はありますが、試す選択肢の上位であることは変わりないことでしょう。
同じくクリーム状であるため使いやすく、見た目も幾何学的で中二心をくすぐられますね。上記のものと内容物はほとんど同じなので、安全性も申し分なく、手軽に使っていただけると思います。
ディーアールエックス AZAクリア
こちらはロート製薬がクリニック用に販売している化粧品で、アゼライン酸を20%濃度で配合した製品です。薬局などで購入することができ、通販でも買えるので使いやすいのではないでしょうか。
アゼライン酸はレチノールとの併用もできますが、その場合はトレチノインやアダパレンと一緒に使った方がメリットは大きいでしょう。
しかし、基本的にビタミンA外用剤は「妊娠中は使用できない」こととなっているため、併用するときは医師の指示に従って使用してください。
LEPOREM ACクリーム
こちらはアゼライン酸が濃度15%で入っている基礎化粧品です。そのほかは目立って有用なとこもなく、クリーム状というよりもジェルに近いテクスチャとなっています。
近年の研究や治療現場では、アゼライン酸濃度20%が主流となっていますが、当初は15%濃度での使用が一般的でした。
ある研究では、「アゼライン酸20%とハイドロキノン4%の肝斑改善効果はほぼ同等」と報告されており、ジェル状15%の3か月に及ぶ試験では「使用者の29%で軽度な副作用が確認された」とあります。
そのため、問題があれば使用を中止してください。
COS DE BAHA アゼライン酸10% セラム
こちらはアゼライン酸が10%、ナイアシンアミドが5%配合された化粧品です。一部の試験管研究では、10%濃度でも効果が示されています。
また、ナイアシンアミド5%でも「顔のシワや色素沈着が減った」と報告されているため、可能性を感じます。
ですが、一般的にアゼライン酸は15%以上が目安であることから、有効性は不明です。
しかし、アゼライン酸を使った経験がなく、とりあえず試してみようと考えている方には良い選択ではないでしょうか。
KISO バランシングエッセンス AZ15
こちらは上記とは違い、アゼライン酸誘導体を15%濃度で配合した化粧品です。その成分は「アゼロイルジグリシンK(PAD)」と呼ばれるもので、今のところほとんど研究例はありません。
しかし、ナイアシンアミドとビタミンC誘導体(APS)も入っているため(濃度は不明)、ほかの効果で期待できるかもしれません。
有効性についてはまだまだ不明確ではあるものの、新しいものを使ってみたいという方、近未来的な理想を追いかけたい方などには面白いで成分かもしれません。
また、安全性についても調査中であるため、肌に合わないと思ったら医師へご相談ください。
まとめ
以上をまとめると、「アゼライン酸は比較的使いやすい成分である」といえ、具体的には、
- 含有濃度は15〜20%くらいを目安にしておきたい
- ニキビ、酒さ、肝斑など幅広い用途に使える
- ほかの外用剤より安全性が高い
という感じです。
化粧品にはさまざまな成分がありますが、迷ったらアゼライン酸を選んでおけば大きな間違いは起きないことでしょう。これらを参考に自分に合った製品を選んでみてください。
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