抗酸化作用、と聞いてどんなイメージが浮かびますか?
なんとなく健康に関係しそうだけど、むずかしそう…。
そんなあなたにおすすめな記事です。
ポリフェノールがからだに良いのは知っていると思います。ワインやブルーベリーに含まれる成分ですね。
実はポリフェノールのはたらきの1つが「抗酸化作用」です。
他にもトマト、お茶、コーヒーなどなど。たくさんの食べ物が抗酸化作用を持っています。
なんだか意外にも身近ですね。
抗酸化作用について、代表的な食べ物にも触れながら見ていきましょう。
抗酸化作用とは?
簡潔に言うと、体の中を錆びさせないはたらきのことです。
からだの中で活性酸素という物質が多く作られると、過酸化脂質へと変化します。
この過酸化脂質が体に悪影響であるとされています。
例えば、がん、動脈硬化、老化、免疫機能の低下などを引き起こします。
文字にしただけでもからだに悪そうですね。
これらを防ぐのが抗酸化作用というわけです。
活性酸素を抑える作用
先ほどの通り、活性酸素は多過ぎるとからだに悪影響を与えてしまいます。
この活性酸素のはたらきを抑え、体を守るのが抗酸化作用です。
実は活性酸素は、からだの中である程度は必要であり、生命活動によってどうしても生み出されてしまうのです。
自分の出した活性酸素でからだを傷つけないように、抗酸化作用を持つ「抗酸化酵素」がからだにそなわっています。
自分の抗酸化酵素のはたらきを超え、産生された活性酸素がからだに悪影響を与えるということなんですね。
活性酸素が発生する原因
活性酸素はなぜ発生するのでしょう。それは生命活動に酸素を使用するからです。
なんだか仕方ないことのような気がしてきました。
からだに取り込まれた酸素は、体内のさまざまなはたらきによって形を変え、その役割を果たします。
その途中で、酸素がより活性化された形に変化することがあります。これが活性酸素です。
活性酸素が産みだされる原因としては、紫外線、放射線、大気汚染、タバコ、薬剤、酸化された物質の摂取などが知られています。
他には過度な運動、ストレスなども関与しているとされています。
心当たりのある人は要注意ということです。
抗酸化作用は加齢とともに衰える
からだには、抗酸化酵素を初めとする抗酸化作用があるとお話ししました。
しかし、からだの他の機能と同じく、酵素のはたらきも加齢とともに衰えてしまいます。
酵素はタンパク質を主原料とするため、仕方のないことです。
そのため、若いうちからストレスやタバコ、酸化された物質の摂取などが習慣になっていると将来どうなるかは……簡単に想像できますね。
活性酸素の発生を抑える方法
ここまで、活性酸素がどのようなものなのか、どんな原因で発生するのかをお話ししました。
では、活性酸素の産生を抑えるには、どのようにしたらいいのでしょう。
体内の抗酸化酵素を強くする……ことはできなさそうですね。どうやら生活習慣や食べ物で抗酸化作用を補う方法がよさそうです。
ここからは、誰でも簡単にできる活性酸素を抑えるやり方を見ていきましょう。
紫外線を防ぐ
まず紫外線です。紫外線はお肌の大敵!ですが、その原因は紫外線のエネルギーの高さにあります。
紫外線は体内に多く含まれる水と反応して、活性酸素を産み出します。紫外線のエネルギーが酸素を活性化してしまうということです。
やや難しい話ですが、要するに紫外線を防ぐことは活性酸素の産生を下げることにつながるのです。
お肌のシミやシワに対する対策をすれば十分なので、そこまで難しくないのではないでしょうか。
これこそ今すぐ簡単にできる活性酸素対策ですね。
運動は軽めに
運動は軽めにしましょう。
自分を追いこむような激しい運動をするのは、かえってストレスになってしまいます。
ジョギングやストレッチ以外にも、犬の散歩や家事、階段の上り下りなんかも軽い運動に含まれます。
いつもより少しだけ意識して運動するといいでしょう。
タバコは控える
タバコは控えましょう。
タバコはさまざまな病気の原因として認められており、海外などではその規制もより一層強くなってきています、その一方で依存性があり、自分の力だけで止めるのが難しいのも事実。
保険診療による禁煙外来や市販のガム製剤などを使い、少しずつ禁煙していけるといいですね。
抗酸化作用のある代表的な食べ物10選!
ここまで抗酸化作用やその原因についてお話ししました。
運動やタバコをいきなり変えるのは難しそうかも……と思った方もいますよね。
せめて、少しずつでも変えていきたいと思っているのなら、まず食べ物を見直すのはどうでしょう。
例えば、ポリフェノールがからだに良いのはみなさん知っていると思います。
実はそのはたらきの1つが抗酸化作用なんです。
そこでここからは抗酸化作用のある食べ物を10選ご紹介します。
ブルーベリー(成分:アントシアニン)
ブルーべリーには、ポリフェノールの1種であるアントシアニンが多く含まれます。
アントシアニンには強い抗酸化作用があり、心血管リスクや高血圧などの改善に効果があることがわかっています。
他にも、視力回復や抗炎症などの効果も期待されており、研究が進められています。
すでにサプリメントが販売されていることからも、その効果に期待がされていることがわかりますね。
大豆(成分:イソフラボン)
大豆には、ポリフェノールの1種であるイソフラボンが多く含まれます。
イソフラボンはマメ科の植物に多く含まれ、女性ホルモンと似た構造をしています。
そのため女性ホルモンのようなはたらきをすることで、更年期障害、動脈硬化、冷え症などに効果があるとされています。
お味噌汁やサラダ、大豆ミートなど幅広く食事に取り入れられるのも嬉しいですね。
チョコレート、ココア(成分:カカオマスポリフェノール)
チョコレート、ココアにはポリフェノールの1種であるカカオマスポリフェノールが含まれます。
高血圧の改善のほか、疲労回復効果も期待されています。
小腹が空いた時に食べるのにはもってこいですね。
ただし、チョコレートには油脂や糖分も多く含まれるため、取り過ぎは控えましょう。
緑茶、紅茶(成分:カテキン)
緑茶、紅茶にはポリフェノールの1種であるカテキンが含まれています。
これらのお茶の「渋み」の元になる成分です。
抗酸化作用のほかにも、抗菌作用、コレステロールを下げる作用、口臭予防などの効果があるとされています。
日常的に摂取している人も多いのではないでしょうか。
同時に、「カフェイン」も含まれることが多いため、夕方から夜の摂取は注意しましょう。
コーヒー豆(成分:クロロゲン酸)
コーヒー豆には、ポリフェノールの1種であるクロロゲン酸が多く含まれます。
研究段階ですが、食後の血糖値の上昇が抑えられるというデータがあります。
ほかにも、糖尿病発症リスクの低下や、血圧の低下などの作用が期待されています。
こちらもカフェインには十分注意しましょう。
ごま(成分:ゴマリグナン)
ごまには、ポリフェノールの1種であるゴマリグナンが多く含まれます。
ゴマリグナンは抗酸化物質の代表格で、老化予防に役立つとされます。
CMなどでもサプリメントを見たことがある方もいるのではないでしょうか。
ちなみにセサミンやセサミノールはゴマリグナンの1種です。
大量に摂取するのは難しいかもしれませんが、薬味やドレッシングなど、工夫すれば活躍の場を広げられるかも。
にんじん、ほうれん草など(成分:β-カロテン)
にんじん・ほうれん草などにはカロテノイドの1種である、β-カロテンが豊富に含まれています。
オレンジや黄色をした色素成分で、いわゆる「色の濃い野菜」に多く含まれます。
体内ではビタミンAとしてはたらき、抗酸化作用を示します。
ビタミンAは脂溶性ビタミンなので、油を使った調理法だとよりスマートに摂取できますよ。
トマト(成分:リコピン)
トマトには、カロテノイドの1種であるリコピンが多く含まれます。
リコピンは抗酸化作用が強く、血圧改善の有効性も示されています。
何かと体にいいイメージのトマトですが、抗酸化作用もあったのですね。
リコピンも脂溶性のため、油を一緒に摂ったほうがよりよく吸収できます。
オリーブオイルをかけたトマトのカプレーゼは栄養的にもいい組み合わせだったんですね。
甲殻類(成分:アスタキサンチン)
甲殻類には、カロテノイドの1種であるアスタキサンチンが多く含まれます。
動脈硬化の改善に有効と考えられています。
甲殻類のほかにはサケやマスなどの赤色の魚にも入っています。
ブロッコリー(成分:スルフォラファン)
ブロッコリーには、硫黄化合物のスルフォラファンが含まれています。
強い抗酸化作用と、肝臓における毒素分解を促進する作用があると考えられています。
スルフォラファンはわずかしか含まれませんが、ブロッコリーには他にも脂溶性ビタミンであるビタミンKなどが豊富です。
効率よく栄養を摂取するためにはマヨネーズなどの油分と一緒に取りましょう。
抗酸化作用におすすめの水
実は、抗酸化作用におすすめの水があります。
「FROM ATHLETES」というミネラルウォーターをご存知でしょうか。
日本体育大学での実験の結果、通常のミネラルウォーターよりも酸化ストレスが下がり、抗酸化力が上昇することが判明しました。
水を変えるだけで抗酸化作用が得られることは素直に驚きです。
日本屈指の格闘イベントである「超RIZIN」の公式飲料になっていることからも、その効果への期待が伺えます。
からだの中から抗酸化力を高めたい方はぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。
まとめ
抗酸化作用についてみていきました。
活性酸素や抗酸化作用など……漢字だらけの記事になってしまいました。
ですが、食べ物や生活の工夫、ミネラルウォーターなど、身近で簡単なところから気をつけることができます。
これを機に食べ物を選ぶときに、抗酸化作用のことも気にしてみてください。
からだの内側から健康になっていきましょう。
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